退去写真を撮影する
引っ越しの際、退去時の写真撮影は非常に重要なステップです。
原状回復トラブルを防ぐための証拠として、退去前の室内状態を写真で残しておくことで、
敷金の返還や修繕費負担の交渉を有利に進めることができます。
特に賃貸住宅では、退去後に管理会社や大家が現地確認を行うため、
入居時との比較ができる明確な記録を残すことが大切です。
この記事では、退去写真の撮影を「いつ」「どこで」「どう撮るか」、
さらに必要な持ち物や注意点を含めて詳しく解説します。
いつ撮影する？
退去写真は、家具や家電を搬出した直後に撮影するのが最適です。
室内が空になった状態で撮影することで、床・壁・天井などの状態を正確に記録できます。
特に、退去立ち会いの前日または当日に撮影しておくと、
立ち会い時に「入居者側の責任ではない」ことを証明しやすくなります。
また、立ち会い時に管理会社の担当者が同席する場合でも、
自分でも写真を残しておくことが重要です。
担当者が記録してくれるからといって安心せず、
自分のスマートフォンやカメラでも必ず撮影しておきましょう。
どこを撮影する？
撮影の基本は「全体＋部分アップ」です。
部屋の全景とともに、傷や汚れ、設備の状態などを細かく撮影します。
特に以下の箇所は、原状回復トラブルになりやすいため重点的に記録しておきましょう。
- 壁・床・天井：傷・汚れ・色あせ・釘穴・シミの有無。
- キッチン：コンロ周りの油汚れ、シンクの水垢、換気扇の状態。
- 浴室・洗面所：カビ、鏡の水垢、排水口の清掃状況。
- トイレ：便座・壁紙の汚れ、床のしみ。
- 窓・サッシ：ガラスの汚れ、レールのホコリ、網戸の破れ。
- 玄関：床の傷、ドアの塗装剥がれ、鍵周辺の状態。
- ベランダ：排水口・壁面の汚れ、エアコン室外機周辺。
- 電気・ガス・水回り設備：スイッチ・蛇口・給湯パネルなどの正常動作確認。
部屋全体の写真は、入口から部屋全体が見える構図で撮影し、
同じ場所から複数の角度を撮っておくと、のちの比較に役立ちます。
必要な持ち物
退去写真を撮影する際には、以下の持ち物を用意しておくと効率的です。
- スマートフォンまたはデジタルカメラ：高画質撮影ができる機器。日付設定をオンにしておく。
- 懐中電灯：暗い箇所（収納・洗面台下・サッシ裏など）を照らすため。
- メモ帳またはチェックリスト：撮影箇所をリスト化し、撮り漏れを防ぐ。
- 脚立または踏み台：天井や上部棚など高い位置の撮影用。
- 除菌シート・雑巾：撮影前に軽く拭いて清潔にしておくと印象が良い。
撮影後は、クラウドや外部ストレージに保存しておくと、
データ紛失やスマートフォン故障に備えられます。
撮影のコツ
- ① 明るい時間帯に撮る。
自然光が入る昼間が最適。照明も併用して明るく撮影しましょう。 - ② ピントと水平を意識。
傾いた写真は状態が伝わりにくいので、スマホのガイドライン機能を活用します。 - ③ 同じ場所を2〜3枚撮る。
角度や距離を変えて撮影することで、後から確認しやすくなります。 - ④ 傷や汚れはアップで撮影。
定規やペンを並べて大きさを示すと客観的な記録になります。 - ⑤ 全体と部分をセットで撮る。
「どの位置の傷か」が分かるよう、全体→部分の順に撮るのが基本です。
どこで行う？
撮影は、旧居の全室で行います。
特に、家具を置いていた跡・カーテンを外した後の壁など、
普段見えなかった部分を中心に撮影しましょう。
また、共用部（玄関外・ポスト・駐車場）で自分の使用範囲に傷や汚れがないかも確認すると完璧です。
注意点
- 退去後すぐに管理会社に写真を提出しない。
自分用の記録として保存し、必要があれば後日提出するのが安全です。 - 撮影データは3年以上保管。
原状回復トラブルが長期化する場合に備えて保管しておくと安心です。 - 立ち会い時に同じ箇所を確認。
担当者と現場で一致しているか確認し、必要があればその場で再撮影。
まとめ
退去写真の撮影は、引越しにおける最終の「自己防衛策」です。
撮影は搬出後・立ち会い前に行い、壁・床・水回り・設備を中心に
明るく鮮明に記録を残しましょう。
必要な持ち物は、スマホ・懐中電灯・チェックリストなど。
そして何より、自分の目で全てを確認し、証拠を残すことが安心につながります。
しっかり撮影しておけば、敷金トラブルを避け、安心して新生活を始められるでしょう。
