転居に伴う退職・転職・異動の意思を上司に伝える
引っ越しをきっかけに、退職・転職・異動といったキャリアの転機を迎える人は少なくありません。
ただし、これらの意思を伝えるタイミングや方法を誤ると、職場との信頼関係を損ねたり、
引継ぎ・退職日程の調整がうまくいかないといったトラブルに発展することもあります。
ここでは、転居に伴う退職・転職・異動の意思を上司に伝える際の正しい手順やポイント、必要な準備について詳しく解説します。
いつ伝えるべき？
転居が確定した時点で、できるだけ早め（退職予定日の1〜2か月前）に上司へ報告するのが基本です。
特に正社員の場合、会社側にも引継ぎや後任配置の準備期間が必要なため、
退職希望日の1か月以上前に伝えるのが望ましいでしょう。
繁忙期や年度末など職場が忙しい時期は、さらに余裕をもって報告することで、
スムーズに引継ぎが進み、職場への印象も良くなります。
異動希望を出す場合も同様で、会社の人事サイクル（多くは年度初めや半期ごと）に合わせて、
早めに上司へ相談するのが効果的です。
どこで、どのように伝える？
退職・転職・異動の意思を伝えるときは、必ず上司と1対1で面談の場を設けるのが原則です。
社内チャットやメールなど、記録に残る手段は「確認」には便利ですが、
「最初の報告」は必ず直接伝えることがマナーです。
伝える場所は、上司が落ち着いて話を聞けるタイミングを選びましょう。
会議の前後や忙しい時間を避け、「少しお時間をいただけますか」と声をかけて面談を依頼します。
報告の際は感情的にならず、以下の3点を意識して話すとスムーズです。
- ① 転居の事情：家族の転勤や結婚など、やむを得ない理由であることを伝える。
- ② 今後の希望：退職・転職・異動のいずれを希望するのかを明確にする。
- ③ 感謝の言葉：これまでのサポートへのお礼を必ず添える。
例文：「このたび家庭の事情で○月に引越しを予定しております。
現在の勤務地から通勤が難しくなるため、退職（または異動）をお願いしたく、ご相談させていただきました。」
必要な持ち物・準備するもの
面談時には次のものを準備しておくと、話が具体的かつスムーズに進みます。
- 退職・異動希望のメモ（口頭で伝えにくい内容を整理しておく）
- 引越し予定日や新住所の概要（業務引継ぎや書類処理に必要）
- 業務引継ぎリスト（後任が困らないように業務内容をまとめておく）
- スケジュール帳（退職・引継ぎスケジュールの調整用）
- 印鑑（退職願を提出する場合に必要）
会社によっては、上司に報告後に「退職願」または「異動願」の書面提出が求められます。
フォーマットが用意されている場合は、指示に従って提出しましょう。
手続きの流れ
- 上司へ口頭で報告（転居理由と希望内容を明確に）
- 退職願・異動願を提出（指定フォーマットまたは自由形式）
- 人事・総務部門との面談（退職日や引継ぎ期間の調整）
- 引継ぎ作業を実施（後任者への資料・データ共有）
- 退職日または異動日当日（最終出社・あいさつ・備品返却）
退職願は手書きでもパソコンでも構いませんが、
正式な書面として扱われるため、誤字脱字や提出日に注意しましょう。
注意点とマナー
- 直属の上司 → 部門長 → 人事の順で報告を行うのが原則。
- 同僚への報告は正式決定後に。噂になる前に上司に正式に伝えることが大切です。
- 退職届は会社からの了承を得てから提出する（独断での提出は避ける）。
- メールでの報告は「最終確認」や「書面提出後の補足」として使用する。
退職・異動は個人の事情であっても、組織にとって重要な人事変化です。
誠実かつ丁寧な伝え方を心がけ、「感謝と報告」を両立する姿勢が信頼につながります。
まとめ
転居に伴う退職・転職・異動の意思を上司に伝える際は、タイミング・方法・準備の3点が鍵です。
伝える時期は退職日の1〜2か月前を目安に、落ち着いた場所で直接伝えるのが基本です。
必要書類は退職願・異動願・引継ぎリスト・印鑑などを用意し、
面談ではこれまでの感謝をしっかり伝えるようにしましょう。
誠実な対応を心がければ、円満退職・スムーズな異動が実現し、次のステップへの第一歩を気持ちよく踏み出せます。
